不動産GmbH(ドイツ有限会社)は通常、賃貸収益に対して合計30%の税負担を負います。内訳は法人税15%と営業税15%(地域により異なります)です。営業税の拡張控除を適用すれば、この負担は 15%——つまり半分にまで軽減されます。ただし、要件を満たしていることが前提です。
この規定が定めるもの
§ 9 Nr. 1 Satz 2 GewStG は、自己所有不動産の管理・利用に帰属する部分を営業収益から減額する規定です。その結果、減額対象部分には 営業税が一切課されず 、実質的に残るのは法人税(15%)と連帯付加税のみとなります。
賃貸事業による年間利益が100万€の不動産GmbHの場合、次のようになります。
- 控除なしの場合: 税額 約300,000€
- 控除ありの場合: 税額 約158,250€
- 節税効果: 年間 141,750€
適用要件の詳細
1. 自己所有不動産の管理・利用に限定されていること
当該GmbHに認められるのは、 不動産の管理・利用のみ です。それ以外の活動がわずかにあるだけでも控除全体が失われるおそれがあります——これが最も見落とされがちな落とし穴です。
2. 認められる付随的活動
認められる付随的活動は、次のとおり厳密に限定されています。
- 金融資産の管理・運用
- 自社所有の戸建住宅・分譲マンションの建設および売却
- 住宅建設物件の管理サポート
3. 適用除外事由
次のいずれかに該当する場合、拡張控除は適用されません。
- 太陽光発電設備からの電力供給で、§ 9 Nr. 1 Satz 3 Buchst. b GewStG の定める10%基準を超えるもの、または賃借人以外の最終消費者への供給(適用喪失の原因となります)
- 事業用設備(Betriebsvorrichtungen)を併せて賃貸すること
- ホテルやペンションの運営
- ケータリング、飲食業、その他の運営型サービス
- 営業性格を有する共同事業体(Mitunternehmerschaft)への出資参加
住宅50戸を保有する不動産GmbHが、屋上に80kWpの太陽光発電設備を設置し、その電力を自社の賃借人に供給するケースを考えます。2020年までであれば、これだけで拡張控除全体が失われていました。2021課税年度以降は、§ 9 Nr. 1 Satz 3 Buchst. b GewStG がこのケースを救済しています。再生可能エネルギー由来の電力供給による収入(電気自動車用充電ステーションからの収入も同様)は、建物賃貸収入の10%を超えない限り、控除に影響しません。ただし注意が必要です。電力の供給先は自社の賃借人または送電網に限られ、それ以外の最終消費者への供給は依然として控除喪失の原因となります。また、電力収益自体は引き続き営業税の課税対象であり、10%基準を超えた場合には賃貸事業の成果全体について控除が失われます。したがって、この基準は継続的にモニタリングする必要があり、規模の大きい設備については、別途子会社GmbHへ切り出すことが確実な方法であることに変わりはありません。
ストラクチャリングの選択肢
純粋持株構造
不動産ホールディングGmbHが複数の物件GmbHを保有し、各社が不動産の管理・利用に専念する形です。これにより、各階層で控除の適用可能性が維持されます。
PropCo/OpCo分離
所有会社GmbH(PropCo)が運営会社GmbH(OpCo)に賃貸する構造です。PropCoが控除の恩恵を受け、OpCoが運営リスクを引き受けます。ホテル、介護施設、物流不動産における定番のストラクチャーです。
新規物件のためのVorratsgesellschaft(既製会社)
既存ポートフォリオに負荷をかける代わりに、新規投資をVorratsgesellschaft(既製会社)を通じて取り込むことができます。控除は子会社ごとに独立して維持されます。
軽微性基準
判例により軽微性基準が確立されています。売上高の5%未満の付随的活動は、機能的に必要なものであれば(例:賃貸借契約に含まれるごみ処理)、控除に影響しません。ただし、この基準は 厳格に解釈 されるべきものです——判断に迷われた際はTABAKにご確認ください。
文書化義務
控除の適用は、営業税申告の中で申請します。重要なのは、収益を明確に区分し、優遇対象の活動と対象外の活動を混在させないことです。税務調査においては、この控除が重点的な調査項目となるのが通例です。
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